【タイ釣具の深層】WEEBASSとBison、実は「同じ生みの親」?WEEKaitの戦略を紐解く

サワディークラップ、プラーです。

 タイの釣具店を回っていると、必ず目にする「WEEBASS(ウィーバス)」と「Bison(バイソン)」。 実を言うと、私はつい最近までこの2つは全く別のライバルメーカーだと思い込んでいました。「白抜き字の爽やかなWEEBASS」と「無骨でタフなBison」、あまりにキャラクターが違うので、まさか同じ会社が作っているとは夢にも思わなかったんです。

でも調べてみると、この2つのブランド、実はWEEKait(ウィーカイト)というタイの釣具卸大手が展開している兄弟ブランドでした。

なぜ同じ会社がわざわざ違うブランドを作っているのか? そこにはタイの過酷な釣り環境を知り尽くした、緻密な戦略が隠されていました。


1. 「総合力」と「安心感」のWEEBASS

〜タイ釣具界の優等生インフラ〜

まず、タイの釣具業界のスタンダードと言えるのがWEEBASSです。

  • WEEKaitの意図: 「これさえあれば釣りが完結する」という安心感の提供。

  • 特徴: ロッド、リール、ライン、そしてタイの雷魚(チャドー)に特化したフロッグまで何でも揃います。「安かろう悪かろう」を脱却し、タイの過酷な環境でしっかり使える「標準クオリティ」を低価格で広めるのがこのブランドの使命です。

プラーの独り言: 「僕はWEEBASSのロゴを見るたびに、タイの釣りの『基準』を感じるんだよね。初心者からベテランまで、誰が使っても納得できる。WEEKaitとしては、WEEBASSを通じてタイ全体の釣りの裾野を広げようとしているんだろうな。」


2. 「一点突破」のコスパモンスター Bison

〜飾りを捨てた、現場叩き上げの剛竿〜

一方で、WEEBASSのライバルだと思っていたBisonは、より尖った個性を放つブランドでした。

  • WEEKaitの意図: 「道具に余計なお金はかけたくない。でも、魚には絶対に負けたくない」という、実利主義なローカルアングラーの熱狂的な支持を得ること。

  • 特徴: タイのブランドの中でもダントツに安いです。装飾を削ぎ落とし、実戦に必要な強度(粘り)だけにコストを全振りしたような設計。まさに「壊れない、負けない」を体現しています。

プラーの独り言: 「Bisonは、まさに『実戦用兵器』。WEEBASSがマルチな優等生なら、Bisonは現場叩き上げの荒くれ者。この安さの竿でメコンオオナマズと真っ向勝負できるのは、Bisonにしかない安心感があるから。同じ会社が作っていると知って、『なるほど、役割を分けてるのか!』と膝を打ちましたよ。」


3. WEEKaitが描く「棲み分け」の構図

WEEKaitはこの2ブランドを使い分けることで、タイの市場を全方位からカバーしています。

  • WEEBASS:ブランドの信頼を築き、スタイリッシュさや「選ぶ楽しさ」を提供。

  • Bison:極限のコスパを追求し、消耗の激しいタフな釣り現場をサポート。

この棲み分けがあるからこそ、僕らアングラーはその日の気分やターゲット、予算に合わせて、最適な「武器」を選べるというわけです。


まとめ:進化するタイの釣り具

こうしたローカルブランドの層の厚さがある一方で、最近は中華ブランドですがPure Lure(ピュアルアー)のような高品質路線のメーカーも台頭しています。僕がチャドー釣りに愛用している CASTING ROD RH-C765-805M-MF は、富士工業製ガイドを搭載した最新鋭のロッド。

「安くてタフ」な伝統を受け継ぎながら、世界基準の「品質」へと進化していくタイの釣具シーン。 僕自身の「勘違い」から始まった今回の深掘りですが、タイの釣りがこれほどまでに奥深いのは、WEEKaitのような企業が現場の声を形にし続けているからなのかもしれませんね。


今日のタイ語: 「勘違いしちゃった!」と言いたい時は 「カオチャイ・ピット(เข้าใจผิด)」 (理解が間違っていた=勘違いした)

ブンサムランの巨神に挑む——「待つ」という贅沢な精神修行

サワディークラップ!プラーです。

 今回は、私が所属する「タイ王国釣堀応援会」の月一企画に参加してきました! 総勢10名の釣り好きが集まり、舞台は世界中のアングラーが憧れる釣堀・ブンサムラン。今回私が狙うはアマゾンの巨神、ピラルクです。

世界一の釣り堀ブンサムランの入口。

1. ガイドに委ねる「特殊ルール」の緊張感

 ブンサムランのピラルク釣りには、独特のルールがあります。 それは、「ガイドが仕掛けを投入し、フッキングまでを行い、ヒットした瞬間のタックルを釣り人が受け取る」というシステム。

 自分で投げて合わせたい気持ちをグッと堪え、プロのガイドの手さばきに運命を託します。これはある意味、究極の「放置プレイ」であり、究極の「精神修行」です。

こんな感じでタックルを直において待ちます。

 11時、ゲームスタート。ガイドがコテージ近くのホテイソウの隙間に仕掛けを送り込み、鶏肉を細かく切って水に浸した「匂い水(まき餌)」を丹念に撒いて魚を寄せます。

教育の現場でも「環境を整えて待つ」ことが重要ですが、この釣りもまさに忍耐。2度、3度とポイントを変えますが、水面は沈黙を保ったままでした。

 

2. 桟橋の根本、静寂を破る「揺れ」

ホテイソウの中に餌のアジの切り身を入れるガイド

 13時過ぎ、大きく場所を移動。今度はコテージがある側とは反対の、桟橋の根本付近へ。ホテイソウが密集するポイントに仕掛けを投入します。

すると、ガサッ……とホテイソウが大きく揺れました。

一気に走る緊張感。糸がピンと張り、ガイドの手が竿にかかります。「来るか!?」と、バトンタッチの瞬間に備えて私の体も強張ります。

 しかし……食い込みが浅かったのか、タックルが私の手に渡ることはありませんでした。自分では手出しができない「見守る側」だからこそ味わう、心臓に悪いほどのヒリヒリした感覚。「ああ、これでまた『釣りの幸せマイル』が貯まってしまったな」と、一人心の中で苦笑い。次に爆発するためのエネルギーを蓄えます。

 

3. 「アライコダイ」への転換

15時半、25番コテージ下に移動するもアタリは無し。

ガイドのヌンさんも何とかしようと必死。

17時を過ぎ、 ここで、ピラルク一本のストイックな戦いから作戦を変更します。

「アライコダイ(อะไรก็ได้)」

 タイ語で「何でもいいよ」という意味。ピラルクでなくても、この際、魚の顔が見られれば何でもいい!という切実な願いです。 場所を大きく開けた桟橋付近に変え、ウキ釣りに切り替えます。

ブンサムランで見る夕陽はなぜか格別にキレイ。

4. 納竿。夕暮れの可能性

夕マズメを狙って、色んな場所を探ります。

 

 小さな反応はあるものの、ウキを沈めきるパワーはなく、時刻は18時半。 黄金色に染まる水面を眺めながら、今回は納竿となりました。

 自分で投げて、自分で合わせる釣りも楽しいですが、ブンサムランの「ガイドに委ねる釣り」は、いつ手元に衝撃が伝わってくるか分からない、独特のヒリヒリした時間を与えてくれます。

 本命の姿こそ拝めませんでしたが、あのホテイソウの揺れの先に待つ「重み」には、確かな可能性を感じました。たっぷり貯まった「釣りの幸せマイル」。次こそはこれを一気に使い果たして、ガイドのヌンさんからあの重いタックルをひったくり、ピラルクを仕留めてみせます!

一日頑張ってくれたガイドのヌンさんと記念撮影。

【独断と偏見】バラマンディ1匹の価値は?釣り堀を「難易度」で格付けしてみた⁈

 サワディークラップ!プラーです。

ついにバンボー巡り12箇所を完遂いたしました!

私プラーが塾講師として「問題の難易度」に向き合ってきた経験から、12の池を巡り終えて確信したことがあります。それは、「バラマンディ1匹(45〜50cm)の価値は、池によって全く違う」ということです。

 そこで私の独断と偏見に基づき、各釣り堀の難易度と、その「1匹の重み」を格付け・解説します。


📊 タイ・バラマンディ釣り堀「価値換算表」

※45〜50cmの1匹を仕留めるまでのプロセスを比較

釣り堀名 難易度ランク クルーチャット1匹の価値換算
アーサー (Arthur) ★★★★★ クルーチャットの7匹分 に相当
パイロット111 ★★★★☆ クルーチャット5匹分 に相当
アイフォン / フォーモスト ★★★☆☆ クルーチャット3匹分 に相当
JJ / ルンチャーン ★★☆☆☆ クルーチャット2匹分 に相当
クルーチャット ★☆☆☆☆ 基準(1匹) 

🔍 各レベルの徹底解説

1. クルーチャット(難易度:★☆☆☆☆)

【塾講師の視点:計算ドリル・基本単語】

 初心者でも1時間あれば1匹に出会える、タイのバラマンディ釣りの「入門釣堀」です。

学習で言えば、反復練習で身につける「計算ドリル」。ここで確実に釣果を出すことで、キャストやフッキングの基本作法を体に覚え込ませることができます。ここでの7匹は、確かな「基礎力」の証明です。

 

2. JJ / ルンチャーン(難易度:★★☆☆☆)

【塾講師の視点:教科書の練習問題】

  2時間じっくり腰を据えれば1匹は釣れる、というペース。

ただ投げるだけでなく、少し「工夫」が必要になるレベルです。教科書の章末問題のように、学んだ基礎をどう使うか。魚の反応を見ながらルアーの色やアクションを微調整する楽しさが詰まっています。

 

3. アイフォン / フォーモスト(難易度:★★★☆☆)

【塾講師の視点:中堅校の入試問題(応用)】

 クルーチャットの3倍難しい、私の体感では「中級者の壁」です。

「昨日は釣れたのに今日は釣れない」といった、状況変化への対応能力が問われます。ルアーのレンジ(棚)を数センチ単位で刻む、リトリーブ速度を極限まで落とすなど、複数のテクニックを組み合わせる「応用力」が必須となります。

 

4. パイロット111 ※餌やり以外(難易度:★★★★☆)

【塾講師の視点:難関校の過去問】

  広大な池、タイだけでなく世界中からルアーマンが集まる、高いプレッシャー。ここの沈黙を破る1匹は、非常に価値があります。

餌やりタイムという「ボーナスステージ」を除けば、魚の付き場を論理的に推測する「洞察力」が求められます。ここでコンスタントに釣れるようになれば、上級者の仲間入りと言えるでしょう。

 

5. アーサー釣堀 (難易度:★★★★★)

【塾講師の視点:最難関校の記述式・初見問題】

 タイのバラマンディ界におけるラスボス。私の考える最高難易度です。

ここでは、ありきたりの知識や経験は通用しません。その日の天候、水質、魚のわずかな挙動変化から仮説を立て、それを針先に一点集中させる。

ここの1匹は、難関校の合格を決定づける「最後の一問」を解き明かした時と同じ。数多の不的中を乗り越えた先にある、震えるような知的興奮がそこにあります。

 


最後に:数より「質」で釣果を語ろう

「今日は20匹釣れた」という数も一つの指標ですが、「今日釣ったその1匹は、どれだけ深い思考の末に手にしたものか?」

そう考えると、タイの釣りはもっと面白くなります。

アーサーの1匹は、クルーチャットの7匹分。

この「1匹の重み」を噛み締めながら、これからもバラマンディとの知恵比べを楽しんでいきたいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

【バンボー釣堀巡りvol.7】12箇所を終えて。私が結局「いつもの一軒」に戻ってしまう理由

 サワディーカップ、プラーです。

「バンボーにある12箇所の釣堀をすべて巡る」

そう心に決めてスタートしてから、およそ5週間。自分でも予想していたよりずっと早いペースで、この挑戦の幕を閉じることができました。

タイのバラマンディ釣りの中心地であり、アングラーの間で「バラマンディの聖地」と称されるバンボー(Bang Bo)エリア。無数の養殖池と釣堀が入り混じるこの地を、毎週のように、時には一日に数軒をハシゴしながら駆け抜けました。

しかし、自分の足で一軒一軒確かめて回る中で突きつけられたのは、ネットの情報だけでは決して辿り着けない「タイ釣堀の今の姿」でした。

 

1. 12箇所を巡って分かった「実質7軒」の真実

 まず、今回の調査で得た最も価値のある情報を共有します。

私がリストアップし、この5週間で訪問した12箇所のうち、現在も釣堀として営業を継続していたのは、わずか6箇所でした。これに、私が日頃から通っている「クルーチャット」を加えて、実質7軒。これが2026年現在のバンボーエリアの真実です。

 この5週間、決してスムーズな道のりばかりではありませんでした。

Googleマップを頼りに、舗装されていない泥道を走り、ようやく辿り着いた先が完全な廃墟になっていたり、池はあるものの看板が外され、ただの私有地の養殖池に戻っていたり……。かつては賑わっていたであろう場所が、静まり返っている光景を目の当たりにすることもありました。

 しかし、そうした「無駄足」を運んだからこそ、今も元気に営業を続けている「7軒」の存在がいかに貴重で、パワフルであるかを痛感できたのです。

 

2. 7軒の選択肢があっても、戻ってしまう「いつもの場所」

実質7軒の選択肢がある中で、全箇所を制覇した私が結局どこに足を運んでいるか。本音を言えば、やはり「いつもの場所」の居心地の良さに落ち着いています。

 

・快適さと安心感の「クルーチャット(Kru Chat)」

 私のブログの準レギュラーとも言えるクルーチャット。ここの魅力は、なんといっても「環境の良さ」です。すぐ近くに食堂があり、釣りの合間に本格的なタイ料理で腹を満たせる。

一日中、炎天下の中で竿を振るアングラーにとって、この食事の動線がスムーズであることは、技術云々よりも「また来たい」と思わせる決定打になります。

 

・圧倒的サイズとパワーの「ルンチャーン(Lung Chang)」

 一方で、純粋にバラマンディの強烈な引きを味わいたい時は、迷わずルンチャーンへ向かいます。ここはアベレージサイズが他とは一線を画します。

「今日は腕がパンパンになるまでファイトしたい」という野生の欲求を、常に120%で満たしてくれる。聖地バンボーの底力を最もダイレクトに体感できる場所です。

 

3. 「いつもの一軒」と「未知の一軒」を巡る葛藤と収穫

 この5週間、常に葛藤がありました。「ブログとして新しい場所を紹介しなければ」という使命感と、「慣れ親しんだ場所で、魚の動きを熟知した釣りをしたい」という欲求です。

 しかし、今回あえて営業状況すら怪しい場所にまで足を運んだことは、私に大きな収穫をもたらしてくれました。新しい場所での「一投目の緊張感」は、通い慣れた場所では決して味わえません。一方で、未知の場所を知ることで、クルーチャットやルンチャーンが提供してくれているサービスの細やかさや、魚のコンディションの良さを再認識することができたのです。

 「通い慣れた場所」があるからこそ新しい場所の刺激が際立ち、新しい場所を知るからこそいつもの場所のありがたみが分かる。この5週間のハイペースな巡礼は、私の釣り人生の解像度を一段階上げてくれました。

 

💡 タイ語ミニ講座:場所ごとの魅力を表現する

今回の挑戦を締めくくるのに、これほど相応しい言葉はありません。

แต่ละที่ก็มีเสน่ห์ต่างกัน

(テ・ラ・ティー・コー・ミー・サネー・ターン・カン)

意味:それぞれの場所に、それぞれの魅力がある

単語 読み 意味 解説
แต่ละ テ・ラ 各〜、〜ごとの 12箇所(7軒)それぞれを個別に指します。
ที่ ティー 場所 釣堀という「フィールド」のこと。
ก็ コー 〜もまた 文を繋ぎ、「どの場所も同様に」というニュアンスを添えます。
มี ミー ある、持っている 魅力がそこに「存在している」ことを表します。
เสน่ห์ サネー 魅力 その場所が持つ独特の雰囲気や、惹きつける力。
ต่างกัน ターン・カン 違う、異なる それぞれが唯一無二であるという結論です。

4. 最後に:バンボー巡りを終えて

5週間という短い期間でしたが、自分の足でバンボーの土を踏み、バラマンディと向き合った時間は、何物にも代えがたい財産になりました。

Googleマップの情報すら止まっているタイのローカルエリアにおいて、私のこの「実質7軒」という記録が、これから聖地へ挑むアングラーたちの確かな道標になることを願っています。

営業していた7軒には、その場所でしか会えないスタッフがいて、その場所でしか通用しないパターンがあり、それぞれの「เสน่ห์(サネー)」がありました。

バンボー巡りというプロジェクトはこれで一旦完結ですが、私のタイ王国釣堀応援会としての活動、そして一人の釣り人としての探求は、まだまだ終わりません。

皆さんもぜひ、ネットの情報に惑わされず、自分だけの「最高の一軒」を見つけに、バンボーへ足を運んでみてください。

ลองไปดูนะครับ ロン・パイ・ドゥー・ナ・カップ(ぜひ行ってみてくださいね)!

【分析】タイの魚はなぜ爆速で育つのか? 58cmの衝撃を科学データで読み解く

 サワディーカップ、プラーです。

先日のバンボー巡り最終回、クルーチャット釣堀で仕留めた58センチのバラマンディ。

あの重量感に浸りながら、ふと疑問に思ったのです。

「一体、タイの魚はどれくらいのスピードで大きくなっているのか?」

気になったら調べずにはいられない性分。今回はタイの水産文献や英語の養殖論文をひっくり返し、その驚異的な「成長の秘密」を数字で追いかけてみました。

普段から水族館や大学の水産学部にはよく足を運びます。

私が釣った中で、最小サイズの20㎝バラマンディ。

■ 1年で「赤ちゃん」から「一人前」へ

 リサーチして驚きました。タイのバラマンディの成長曲線は、日本の常識を遥かに超える右肩上がりです。文献から算出した推定成長グラフがこちら。

【バラマンディ成長推定表(タイ国内データ参照)】

期間(月数) 推定サイズ (全長) 推定重量 状態・備考
2〜3ヶ月 約25cm 約250g 釣り堀への放流開始サイズ
6〜8ヶ月 約35〜40cm 500〜800g タイのレストランで人気のサイズ
12ヶ月 約45〜50cm 1.0kg〜1.2kg 「デカい」と感じ始める大台
18〜24ヶ月 55cm〜60cm 2.5kg〜3.5kg 今回釣り上げた58cmクラス!

 つまり、今回私が釣り上げた58センチは、放流からおよそ1年半から2年弱を、あの熾烈な釣り堀の中でサバイブしてきた「エリート個体」と言えます。

 

■ なぜ、これほどまでに速いのか?

文献から見えてきた要因は、主に3つ。タイという国のポテンシャルの高さがそのまま魚の体に現れていました。

  1. 「最適温度」が365日続く

    バラマンディの代謝が最も上がるのは26℃〜30℃。タイでは一年中この黄金温度が保たれます。日本のような「冬の停滞期」が一切ない。つまり、365日24時間、常にフルスピードで成長し続けているのです。

  2. 「浸透圧」のストレスフリー

    汽水域を好む彼らにとって、タイの釣り堀の塩分濃度は、余計なエネルギーを使わずに済む「居心地の良い場所」。代謝の負担が少ない分、食べた栄養がすべて「体づくり」に直結します。

  3. 「生餌」によるドーピング級の栄養

    多くの養魚場では、トラッシュフィッシュ(雑魚)をそのまま与えます。人工飼料よりも脂質やタンパク質が豊富な生餌を飽食することで、爆発的な体高とパワーが蓄積されます。

 

■ まとめ

 「前よりアベレージが上がった」と感じたのは、単なる勘ではありませんでした。

タイの豊かな自然条件と、釣り堀という特異な環境が合わさることで、バラマンディは恐ろしい速さでモンスターへと変貌を遂げています。

バンボーの釣り堀が養魚場に姿を変えていく中で、今も営業を続ける池の魚たちは、今日もこの爆速サイクルで大きくなっている。

  次にクルーチャットを訪れるときには、アベレージは60センチを超えているかもしれません。

タイの魚のポテンシャル、恐るべしです。

【バンボー釣堀巡り VOL.6】消えゆく釣り堀と、クルーチャットで手にした58cmの衝撃

 

今回の調査したバンボ―エリアの釣り堀

 サワディーカップ、プラーです。 ついに、目標に掲げていた「バンボー巡り12箇所」の最後の4箇所を回ってきました。

 今回の釣行は、改めてタイの釣り堀事情の「厳しさ」と「力強さ」の両面を肌で感じる、非常に濃い一日となりました。

■ 消えた釣り堀、残された養魚場

 意気揚々と残りの4箇所を巡りましたが、結果は意外なものでした。 地図を頼りに辿り着くと、そこには確かに池があり、人の気配もあります。しかし、どこを訪ねても返ってくる答えは同じでした。

「今はもう釣り堀はやっていないよ。養魚場になったんだ」

 かつては釣り人で賑わっていたであろう場所も、時代の流れか、現在は食用魚を育てるための施設として運営されていました。池はあっても、竿は出せない。そんな現実を前にして立ち尽くしていると、地元の人たちが口を揃えてこう教えてくれました。

「釣りがしたいなら、クルーチャットへ行きな。あそこならやってるぞ!」

どこの養魚場へ行っても、みんなが「クルーチャット釣堀」を案内してくれる。 なるほど、やはりあそこは、この界隈では圧倒的な知名度と信頼を誇る「釣堀」なんだなと、再認識させられた瞬間でした。

■ホーム釣堀クルーチャットでのドラマ

 そうなると、もう心は決まっています。 「そこまで言われるなら、今日はクルーチャットで釣るしかない」

11時過ぎに現地へ到着。 選んだのは、私が最も信頼を置いているルアー、エアオグルのゴールドです。

信頼ルアーのエアオグルのゴールド

 期待を込めてキャストを続けること約10投目。突然、ひったくるような強烈なアタリが手元を襲いました。

ヒット!……しかし、なかなか寄ってこない。 ジリジリとドラグが音を立て、ラインが引き出されます。

「デカいぞ、これ……」

正直、この釣り堀にはそこまでのサイズはいないと思い込んでいたので、若干の焦りが生じます。周囲の水車や杭に巻かれたら一貫の終わり。竿の弾力をフルに使い、走る魚をいなしながら慎重に距離を詰めます。

ようやくフィッシュグリップでその口を抑えたとき、確かな手応えを感じました。 サイズを測ると、なんと58センチ。 ここでは過去最大級の50センチを優に超える記録更新です。

58㎝のバラマンディ。良く引きました!

少し白っぽい58㎝のバラマンディ

 以前釣ったときよりも確実にアべレージが上がっている。改めて、タイの魚たちの驚異的な成長スピードには驚かされるばかりです。

■ 命を繋ぐ、Grabデリバリー

 釣った魚はいつも通り、家に帰ってから手早く捌きます。 何事も積み重ね。今では片付けまで含めて、自分でも驚くほど手際が良くなりました。

頭を落として、うろこ・内臓を取った状態のバラマンディ

血合いの部分もきれいに取るように、注意しています。

 

 今回はこの魚を心待ちにしている方がいらっしゃったので、丁寧に塩をして包み、鮮度が落ちないうちにGrabで送り届けました。

タイはなんでもグラブを使う感じです。

釣り上げた命を、最高の状態で食卓へ。これもタイにおける私の大切なルーティンの一つです。

 

■ バンボー巡り12箇所を終えて

 ついに12箇所を全て回りきりました。 結果を振り返ると、実際に釣り堀として営業していたのは6箇所。(うち1箇所はかいぼり中で臨時休業)

魚のマークがやっている釣堀。クルーチャットを入れて7つ。

 池があっても、半分はすでに養魚場へと姿を変えていました。 外から見れば同じ「池」でも、経営を続けていくことの難しさを痛切に感じます。

しかし、だからこそ思うのです。 今も営業を続けてくれている素晴らしい釣り堀たちを、もっと多くの人に知ってもらいたい。そして、この文化が未来へ続いていってほしいと。

バンボーの地を走り回って得たこの経験を糧に、これからもタイの釣り堀の良さを全力で広めていこう。そう強く心に誓った一日でした。

【釣堀紹介】アユタヤの多魚種フィールド「ノーンヘーン」釣行記

 サワディーカップ、プラーです。

 先日、YouTubeキタさんの動画を拝見しました。

youtu.be

動画内であまりにも景気よく釣れているシーンを見て、「これは自分もあやかりたい!」と居ても立ってもいられず、アユタヤにある多魚種釣堀「ノーンヘーン」へ行ってきました。

ここは多様な魚種と遊べるのが魅力ですが、タイの釣り堀らしい「洗礼」も受けた一日となりました。


【行き方】バンコクから1時間強のドライブ

 バンコク市内からは車で約1時間から1時間半ほど。アユタヤ方面への道は整備されているので、アクセス自体は非常にスムーズです。平日の喧騒を忘れ、のんびりと釣り場へ向かう時間は、何度経験しても良いものですね。

看板と私。タイはこういうビニールの看板が多い。

ナイフフィッシュがいる池の真ん中から。


【内容】多種多様な魚たち、そして忍耐のヤムママ―

・営業時間:6時00分~20時00分

・釣り代は1竿100バーツ。

 でも、今回は3人で行って、2匹しか釣れなかったと言ったら、200バーツでいいよと言われました。すごく良心的でこちらが申し訳なくなりました。

・魚は買取もできるし、キャッチ&リリースのどちらでも選べます。

・最大の特徴は、狙える魚のバリエーション。

  • ルアー対象: 目玉のナイフフィッシュ、バラマンディ、プラー・チョン、パクー、プラー・ブウ。

  • 餌釣り対象: ティラピア、プラー・タピアン、プラー・イーソックなど。

 

 まさに「何が来るかわからない」楽しさがありますが、この日の「忍耐」は魚に対してだけではありませんでした。

お腹が空いたのでヤムママ―(インスタントラーメンのサラダ)を注文したのですが、待てど暮らせど出てこない……。結局、1時間待っても忘れられていたようで、最後は「もういらないです」とお断りする事態に。ここでの食事注文は、かなりの早めが鉄則のようです。

【釣果】ドラグが鳴る!プラー・チョン先生ルアーの威力

 肝心の釣りですが、11時から開始して、最初はなかなかの苦戦を強いられました。アタリはあるものの、なかなか針に乗らない。「魚が小さいのか? それとも巻くスピードが合っていないのか?」と試行錯誤が続きます。

 しかし、昼を過ぎてから魚の活性がさらに上がってきました。ここで、以前プラー・チョン先生からいただいたルアーを投入。すると、ついにその時が!

「Hit!」

50㎝のプラーチョン。なかなか引き応えはありました!

直後、ドラグがギリギリと鳴り響き、ラインが引き出されます。この魚との駆け引きこそが釣りの醍醐味。慎重に寄せて上がってきたのは、50cmほどのプラー・チョンでした!

やはり「プラー・チョン先生」のルアー、期待を裏切りません(笑)。苦戦した末の一尾は、喜びもひとしおです。


💡今回のタイ語表現

 料理がなかなか来なくて、しびれを切らしそうな時に使えるフレーズです。

「アーハン・ヤン・マイ・マー・カップ(อาหารยังมาครับ)」

「まだ料理が来ていないよ」という意味です。ノーンヘーンに行く際は、このフレーズを早めに使う準備をしておいたほうがいいかもしれませんね(笑)。

次はどこの釣り堀へ行きましょうか。バンボー巡り12箇所達成に向けて、またレポートします!

【最後に】

 ここはローカル釣り堀です。魚代もそこまで高くないので、買取できれば買ってもらい、料理もあるので飲食でも積極的にお金を落としていってもらえたらと思います。そうやって、経済を回していって新しい魚の購入費用に充足してもらい、釣り人もWin Winの関係を築いていけたらと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!